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光減衰器とは

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光減衰器とは

光減衰器(光アッテネータ)は、光ファイバを流れる光信号の光の強さ(光パワー)を意図的に弱くするための部品です。
光通信の世界では、「光信号が強すぎても弱すぎても正しく動作しない」という特徴があります。
強すぎる光は、受信機にとっていわば「まぶしすぎる」状態です。
このまぶしさを抑え、ちょうどいい明るさに調整するのが減衰器の役目です。

なぜ光減衰器が必要なのか

光の送信機は、遠くまで光を飛ばせるように比較的強い光を出力します。
一方で、それを受ける側の受信機や測定器には、それぞれ「受け入れ可能な許容範囲(入力レンジ)」が決まっています。

減衰が必要な例
  • 受信機の許容入力範囲:-5 ~ -30dBm

  • 実際の入力光パワー:-3dBm

このケースでは、光が強すぎて受信機の入力レンジを外れています。
そのまま接続すると、入る光が強すぎますて通信エラーが発生したり、最悪の場合は受信センサーが焼き付いて壊れてしまう場合があります。
そこで、光減衰器を間に挟むことで、安全なレベルまでパワーを絞り、機器の安定動作を確保し、故障や劣化のリスクを最小限に抑えるのです。
 
光減衰器を入れるメリット
  • 受信機や測定器が安定して動作する

  • 入力過多による故障や劣化リスクを抑えられる

光減衰器の基本的な仕組み

光減衰器は内部で光を吸収したり、散らしたりしてパワーを弱めます。
この弱める度合い(減衰量)は「dB」という単位で表され、数値が大きくなるほど、光は弱くなります。

〇減衰ファイバ方式(Doped Fiber)
金属イオンなどを添加(ドーピング)した光ファイバを用い、ファイバ内部で光を吸収させることにより光パワーを減衰させる方式です。

〇コアずらし方式(Displacement Misalignment Technology)
2本の光ファイバのコア位置をわずかにずらし、透過する光を抑制し、光パワーを減衰させる方式です。

光減衰器の種類

用途や現場の環境に応じて、最適なタイプを選択する必要があります。

固定減衰器

「3dB」、「5dB」のように、あらかじめ減衰量が決まっているタイプです。
構造が非常にシンプルで一度設置すれば安定して運用できるため、通信設備や、条件を一定に保つ必要がある工場の量産試験などで広く使われています。

単心タイプ:LC,SC,FCなど一般的なコネクタに対応し、ネットワークの構築や保守現場で多く利用されるタイプです。


多心タイプ(MPO):12心や24心を1つにまとめたMPO規格に対応しています。スペースの限られたデータセンターなどで有用なタイプです。



可変減衰器

減衰量を手動または電気制御により調節できるタイプです。
固定減衰器ではカバーしきれない微細な調整にも対応することができます。

・ダイヤル式
ダイヤルやネジを物理的に回して、減衰量を自由に変えられるタイプです。
最大のメリットは電源が不要なことで、持ち運びやすく、場所を選ばずどこでも使用できます。
操作が直感的で壊れにくいため、工事現場での簡易テストや、実験室でのちょっとした微調整に最適です。


・機械式
内部のフィルターやミラーを電気モーターなどで動かして調整するタイプです。
手動式よりも精密なステップでの調整が可能で、一度設定した減衰量を長時間安定して維持できるのが強みです。


・MEMS式
「超小型ミラー」を電気信号で動かすハイテクなタイプです。
ミラーの傾きにより結合損失が発生させ、減衰量を調整することができます。
応答速度が非常に速く、ミリ秒単位で正確な切り替えが可能です。
非常にコンパクトなため装置の基板内にも組み込みやすく、通信キャリアの自動制御システムや、人が直接手を下せない場所にあるネットワーク機器のリモート調整などに活用されています。

まとめ

光減衰器は、単に光を弱めるだけの部品ではありません。
「機器を過負荷から守り安全に動作させる」といった、光通信を支える極めて重要な部品です。
減衰量が固定された「固定減衰器」と、自由に調整できる「可変減衰器」があり、通信設備、データセンター、製造ライン、研究開発、フィールド工事など、さまざまな現場で活用されています。
光の知識を学び始めたばかりの方も、まずは「光が強すぎるときに入れるサングラスのような部品」とイメージしていただくと、実務での使いどころがぐっと分かりやすくなるはずです。
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