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光ファイバはどう作られる?~プリフォームから線引き・光学特性評価まで~

光ファイバ製造の全体像
光ファイバの製造工程は大きく「光ファイバ素線の製造」と「ケーブル化・コネクタアセンブリ加工」の2つのフェーズに分けられます。
<フェーズ① 光ファイバ素線の製造の流れ>
- 高純度石英原料
- プリフォーム製造・評価
- 線引き・被覆
- 光学特性評価
➡光ファイバ素線完成
<フェーズ② ケーブル化・コネクタアセンブリ加工の流れ>
- ケーブル化・必要長さへの切断
- 研磨
- コネクタ取付
- 各種試験・検査
➡光ケーブル・光パッチコード完成
本記事では、このうち光ファイバ素線の製造工程について解説します。高純度石英を用いたプリフォームの製造から、線引き、被覆、品質管理、さらに完成した光ファイバ素線の光学特性評価まで、一連の流れを紹介します。
プリフォーム製造工程
光ファイバ製造では、まず母材となるプリフォームを製造します。この工程で形成された構造が、完成後の光ファイバ性能を大きく左右します。
■ 光ファイバの原材料
光ファイバの主原料は高純度の石英ガラスです。不純物を極限まで除去した高純度石英原料が使用されます。光を数十km以上伝送するためには、ごくわずかな不純物でも損失の原因となるため、高い純度が求められます。
■ プリフォームとは
プリフォームとは、光ファイバを引き延ばす前のガラス母材です。完成した光ファイバと同じコア・クラッド構造を持ち、この構造を維持したまま細く線引きされます。そのため、光ファイバの基本性能はプリフォームの品質によって決まるといっても過言ではありません。
■ プリフォームはどのように作られる?
代表的な製造方法にはMCVD法、VAD法、OVD法があります。いずれも高純度石英ガラスを積層してプリフォームを形成する方法ですが、ガラスの堆積方法が異なります。日本では長尺プリフォームを効率よく製造できるVAD法が広く採用されています。
■ 品質管理のポイント
製造後には寸法やコア・クラッド構造、屈折率分布などを測定し、設計どおりに製造されているか確認します。これらは後工程の線引きや完成後の通信性能へ大きく影響するため、重要な品質管理項目です。
線引・被覆工程
プリフォームが完成すると、光ファイバへ加工する線引・被覆工程へ進みます。この工程では、外径125μmという極めて細い光ファイバを安定して製造するため、高精度な温度管理と速度制御が行われています。
■ 線引工程
プリフォームを約2,000℃の加熱炉で軟化させ、一定速度で引き延ばします。この工程を線引きと呼び、最終的に外径125μmの光ファイバとなります。温度や線引速度を安定させることが均一な品質維持のポイントです。
■ 被覆工程
線引き直後の光ファイバは裸ガラスの状態で非常に傷つきやすいため、UV硬化型樹脂で一次被覆・二次被覆を施し、機械的強度を確保します。
■ 品質管理のポイント ~インライン測定~
線引・被覆工程では、製造中の光ファイバをリアルタイムで監視するインライン測定が行われます。外径や偏心、張力などを連続測定し、異常があれば製造条件を即座に補正することで、安定した品質を維持しています。製造後に検査するのではなく、「製造しながら品質を管理する」ことがインライン測定の大きな特徴です。
光学特性評価
完成した光ファイバ素線は、通信性能に関わるさまざまな光学特性について、国際規格や製品仕様を満たしているか評価が行われます。用途や規格によって必要な評価項目や測定器は異なります。
■ 主な光学特性評価項目
| 評価項目 | 何を評価する? | 通信性能への影響 | 代表的な測定器 |
|---|---|---|---|
| 波長分散 | 波長による光の伝搬速度の違い | 高速・長距離通信時の信号品質 | 波長分散測定器 |
| モードフィールド径(MFD) | 光の広がり方 | 接続損失・結合効率 | MFD測定器 |
| カットオフ波長 | 単一モードで伝送できる波長範囲 | シングルモード伝送性能 | カットオフ波長測定器 |
| 開口数(NA) | 光を取り込む能力 | 光源との結合効率 | NA測定器 |
| 伝送損失 | 光の伝送損失 | 伝送可能距離・通信品質 | OTDR・光損失測定器 |



